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お休みの季節(2003年2月)


受験生にとっては大騒ぎな時期でしょうが、大学の今は基本的にはお休みです。ていうか、ちょっと前に受けた試験の結果が気になる時期ともいえます(びくびく)。

サイトへのアクセスも順調に落ち込んでおりまして、みんな学校から見てるんだなあ、と思った次第(当サイトはu-tokyo.ac.jpとか、nihon-u.ac.jpなんて感じで、acドメインからのアクセスが多いのです)。4月まではほっと一息、でしょうか(更新サボるのか)。

今学期の授業はサバイバルだったなあ。「英文文献講読」(もち、心理学の論文です)の授業とか、グループ組んだときの女子が、男子に向かってまじめに「あなたとは授業のとき以外、関わりたくないのよ!」って言ったりしたもんね。

心理学をやる人には、少なくても標準レベルの人間性が欲しいと思った次第。そんなこと言われたら、普通かなり落ち込まない? 有斐閣の分厚い心理学辞典持ってても、ダメです(ずいぶん細かいな)。

あとこの半年は、ちょっと心理学から離れようかなあ、と思った季節でもあります。

心理学に対する私の基本的姿勢は「どうでもいい」なんですが(まじめな話)、そのレベルがかなりアップしました。ある意味、認知とか、社会の視点を強くしたせいかもしれません。

psycho lab.も春にはなくなってるかもしれません(^^;)

だって、心理学の教科書に書いてあることって、全然役に立たないのです。視点は狭いし、「え? そんなことにも気づかなかったの?」なんてことが最新の話題だったりする。ほんとの人間に触れないことが多すぎます。

そろそろ心理学という形態自体に無理がきている気がしてます。個人的にはこう再編すべき。

知覚→生理学に吸収
学習・行動などの分野→動物行動科学に吸収
社会→文化人類学や情報学、メディア学などの社会学分野と関わって、学際化
臨床→精神医学に吸収

認知とか、発達、人格なんていう分野はそのままかも。それでも、いろんな学問の視点をもっと取り入れるべきですね。少なくても、人格なんかは哲学の視点とかも取り入れるべき。

心理学っていうのはもともと、人間を見る学問なわけで、ようはすべての学問が絡んできます。なのに、心理学自体がそれを拒絶してる面があって、全然わけわかんない学問になっちゃった。少なくても、心理学を理解したところで、人間は全然理解できないのです(それなら、哲学を選んだほうがいい)。

心理学は科学である、という大鉄則でもう1回見直してもいい時期に来ているんじゃないでしょうか。フロイト、ユングなんかの理論を今も信用していいのか、ピアジェの発達理論をまだまだ基本中の基本のように教科書に載せてていいのか、そもそも普遍的な心理学はありえないってことを教えなくていいのかなどなど、めちゃくちゃ疑問です。

たとえば臨床を例に挙げるけど、カウセリングなんかより、お薬のほうが100倍効果があります(文学的比較)。これは、医学的なエビデンス研究(evidence research. 有効性研究)によるもので、逆に精神分析とかカウンセリングはほとんど効果なし(認知・行動療法は別でこれらはかなりの場合で有効)。

でも、ほとんどの人が薬は嫌で、精神科なんて行きたくもないとかいいつつ、カウンセリングを認め始めてきています。これが怖いなあ、と思うわけ。これはいってみれば、実証性がない心理学が信用されていることに他ならないのです。

「相談に来る人は解決法を知らないわけではない。どうすればいいかわかっているけど、それが何かの理由でできないだけである(たとえば、怖いとか)。相談に来ない人は、それなりに解決できる人か、それすら無理な人のどちらか」

これは私の考えですが、多分、実際もそうなのではないでしょうか。基本的にカウセリングを薦めたりするのは大きなお世話でしょうし、そもそもクライアント自体に意識がないと意味がないです。

理論的にも疑問はいっぱいあります。抑圧とかそういうのってほんとにあるの? 普通人間って、考えないようにすると、逆にそれが気になりませんか?(「アイロニック・プロセス ironic process」という専門用語がちゃんとある)それに、何もかも個人の問題ですか?

私は「生きづらい」って感じることに、弱さだけではなくて、強さも見出しています。周りの理不尽さや自分の弱さなどともに、ちゃんと自分を理解している、そして、なんとか生き抜こうとする、ある意味、強さがあると思っています。そこに治療という名のメスを、本人が求める場合は別として、勝手に入れるのは正しいことなのでしょうか? 大きなお世話なことはないんですか?

それに、現状をちゃんと認識すべきです。たとえば今の時代、不況って言われてますが、ほんとにそうでしょうか。ただ単に認識力不足なだけでは? 実際、仕事はいっぱいあります。失業率が高いのは、働く側が仕事を選んでいるからです。これを不況と言っていいのでしょうか?

えーと、ちょっと脱線しましたね…(いつもそうだという話もある)。

では戻して、ここでは臨床だけ取り上げましたけど、他の心理学分野だって、似たり寄ったりなのです。そろそろみんなで批判しよう! 心理学は実証を重視したあくまで「科学」なんですから。

あー、休みだっていうのに熱いこと書いちゃいました。忘れましょう。まとめ。

「心理学はやっぱり、どうでもいい学問です」

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