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「心理学を勉強したい」そう思う人が最近増えてきました。
早い人だと中学生くらいから、遅い人だと大人になってから、
そう思って、心理学に取り組もうという人が増えています。
ということで、私なりに「心理学を学ぶための大学の歩き方」というのをご紹介したいと思います。


[決意]

真剣な眼差しで「心理学を学ぼう!」と思っている人は結構多いと思います。特に、中学生、高校生の皆さん! みなさんはあと少しでくる「受験」という名の壁を意識しながら、心理学への想いを膨らましていることでしょう。

皆さんがどのような経緯で、どのような思いで心理学とお付き合いしようと思っているのか、それは私にはわかりませんが、とりあえずいくつかこの「決意」の時点で気にしておきたいことがあります。

まず、「心理学=臨床心理学とかカウンセリング」だと思っている方、しかも、それを仕事にでもしよう!と強く思っている方、そういう方は心理学を学ぶことをあきらめて、医学の道へと志したほうがよろしいかと思います。詳しい理由は「大学図鑑!2004」(オバタカズユキ他著/ダイヤモンド社)の22ページ、「心理学科を出ればココロのプロ?」というセクションを参照してほしいんですが、とりあえず「臨床心理士」なんて資格を取ったとしても、それで食べていける保証はまったくないのが、この心理臨床の世界。本気でその世界に生きたいという方は、医学をやるべきだと私は考えます。

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最新版は「2005」ですので、注意。

簡単に言えば、心理学という学問はカウンセリングをやるための学問じゃないのです。もっと科学的に、人間の行動を見る学問なのです。カウンセリングというのは心理学の主流から見れば、おまけに近いのが現実。その現実を知らないで大学に入ると、かなりがっかりすること請け合いです。どれだけ受験をがんばっても、がっかりしては意味がありません。がっかりする前に、適切な道に進んでほしい。

それでも心理学の道に進むという方は、現実的には「大学へ行く!」というのが当座の目標になります。


[受験]

心理学を志す中高生からよく聞かれる2大質問に「心理学は理系?文系?」というのと、「受験のためには何を勉強すればいいの?」という2つがあります。

原則的に言えば、心理学は文系に属します。例えば、東大(日本で最初に「心理学」の講義を始めたところ)で基礎的な心理学、つまり知覚とかそういう分野を学ぶとしたら、文学部に進まなければなりません。発達心理学とかは教育学部になるでしょうか。とにかく、このように、昔々から心理学というのは文系、つうか、文学部でやるものとされています。

が、最近この状況が変わってきた。まず一つは、心理学が文学部から独立して、ちゃんとした一つの学部「心理学部」というのができるようになったところ。例えば、明治学院大学は2004年、文学部心理学科を「心理学部」へと移行します。こういう傾向は全国で見られます。

もう一つは、これは心理学というのが人間に関係している分野であることと、心理臨床がブームになっている流れが影響していると思いますが、いわゆる「人文科学」とか「福祉系」の部門に心理学が見られるようになった点。こういうところは学部の名前がまちまちなので、本当にそこで心理学をやっているのかどうかよくわからないことがありますけど、たとえば、昭和女子大学の場合、心理学は「人間社会学部」っていうものの中に入ってます。このように「文学部」でも「心理学部」でもないところに心理学があったりするようになってきました。

まあ、どちらにしろ文系という地位は変わらないのですが、昔のように「心理学といえば文学部だ!」のような流れでは今はないというところがポイントです。

続いて、受験勉強はどうすりゃいいのか?という点。

まず、必須は英語です。これは大学に入ってからも重要なツールとなります。英語ができないと、「文献購読」なんていう授業で苦労すること間違いなし。リーディングもライティングもできるようになっておきたいので、ちゃんと学んでおきましょう。

続いて、数学です。「人間の心っちゅうもんをやるのに数学!?」と思うかもしれませんが、これはやっておいたほうが無難。心理学をやる人は「統計」というものと必ずお付き合いすることになるからです。その理論だなんだを理解するためには、微積くらいまでは最低でもマスターしておきたい(もちろん、行列、ベクトルといった知識もあればあるほどいいですが)。

これはまあ、大学に入った後のことを考えると、という視点でのお話ですが、とりあえず「受験科目」をどうすんだ、という話の場合は、外国語はなんにせよ必須(配点も高い!)、国語もやっておけ、地理歴史、公民、数学、理科はどれか一つ強いのを用意しておけ、という感じになるでしょうか。

でもでも、受験がまだ先の先の方の場合は、とりあえず学校生活を楽しみましょう! でもって、本読んだり友達と遊んだり、それはもう毎日を楽しんで、勉強もやって、いろいろ経験する。これが一番大事です。

大学に入って心理学をやる上で一番重要となるのが「それまで身につけた教養」だと私は思うからです。

さて、ここまでは現役受験生を対象としてお話をしてきましたが、大人の皆さんで「編入学したい」とか、「一からやり直したい」と思って、大学受験を考えている方も結構いるかと思います。今度はそういう方々をターゲットにお話をしましょう。

まず、編入学。つまり、今他大学とか同じ大学の中でも他の学部学科にいるけれど、心理学をやりたいので受験したいという方。こういう方はまず、psycho lab.では「青本」という名でご紹介している「心理学を学びたい人のための大学・大学院の歩き方」(中央ゼミナール編/東京図書)を立ち読みでもいいから読みましょう。自分が本当に編入できるのか?(学年による制限とかがありますから)とか、どんな対策を練ればいいのかとか、それはそれは参考になるはずです。

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編入のときに行われる入学試験というのは、現役生が受けるそれとはまったく異なります。心理学の専門知識をズバズバと聞いてきたり、これについてどう思うか?なんてのに答えなければいけなかったりと、心理学をやっている人間でも答えられるかどうか微妙なくらい、専門的にハイレベルな問題が出されたりします。

加えて、この手の入試問題は結構入手が難しかったりします。とりあえず勉強の際は、「試験にでる心理学」シリーズ(北大路書房)なんかを参考にコツコツとやっていくことをオススメします。教科書としては「心理学」(東京大学出版会)とかがよろしいでしょう。

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続いて、一からやり直したい!という方。

まず、在職中なんだけど……という方は、通信制の大学で心理学が学べるところに通うというのはいかがでしょう? 教科書を自分で開いて、あれこれ頭使って、レポート書いたりなんだりとそれはもう、普通の大学生の何倍も大変(少なくても、遊んでても卒業できるなんてことは絶対に、ない)な大学生活にはなりますが、なにしろ、入学試験がありませんし、学費もかなりお安いのが普通(年額で10万円以下のところもある。普通の大学の10分の1くらいですね)。しかも、結構有名どころの大学もあります。慶応の通信教育課程とか、早稲田の人間科学部とか。これらは東京の大学ですが、全国どこに住んでても学べるのが通信の一つの特色ですね。

ただ、この手の有名どころの大学は卒業までの道のりが尋常じゃありません。話だけ聞くと、とんでもないとこだなあ、と思うことしきり。そりゃそうです。通信制の課程を終えたとしても、「慶応卒」「早稲田卒」になるわけですからね。教える側もそれなりに来ます。その覚悟ができる方は、行ってみてもいいかも。

普通に学びたいよ、という方は通信制の中でも放送大学が一番いいでしょう。なにしろテレビで実験映像とかが見られるというのは、ただでさえ実験実習が少ない通信制にとっては大きなメリット。また、大学で教えている人たちが、基本的に「その世界で名を知られる人」(まあ、だからか、放送大は権威主義的だとか言って、「第八の帝大」という人もいるけどね)、加えて、内容の改訂スピードがかなり速い=最新の内容を学べる可能性が高いということで、これらの点が評価できます(これらの理由から、psycho lab.ではlearn to psychology.を放送大学の教材を元として作成しています)。

ただ、通信制そのものが抱える問題として、どうしても心理学の主体となる実験・実習・演習といった類のものが受けにくいこと、そもそも一人で勉強するのが当たり前なので孤独になりやすいこと(大学で友達を作るのもなかなか難しい)、卒論を書くとかも簡単にはなかなかできないことなんかが上げられますので、その辺は注意しておいてください。

でもって、通信は嫌だ!普通に大学に行ってやる!という方。こちらの場合は、社会人としての経験がある方は「社会人入試」、経歴はないよ、という場合は、普通の人と同じように、受験勉強をして、大学の一般入試を受けて、それで入るという形になるでしょう。どっちにしろ、昼間に通う大学生としての生活ってのは、働いている人にとってはかなり大変。覚悟は必要です。周りの理解も欠かせません。

ちなみに、いわゆる「二部」と呼ばれる夜間部ですが、これはだんだんなくなる傾向にあります。ご注意のほど。

最後に。「どこの大学に行けばいいですか?」という質問をたまにされますが、それは不毛です。自分の目で見て、足で確認したところに行くべきだから。そんなこと、人に頼らないように。


[生活]

なんだかんだいって試験を終え、大学に入ることになった。

普通、話がここで終わってしまうことが多いですが、大事なのはここからです。大学で勉強するのが、入ったあなたの目的ですからね。

というか、昔、文化人類学の先生(授業中よく水を飲む)とうだうだ話してたことなんですが、今の日本って、大学受験で一つ区切れちゃうのは問題じゃないのかなあ、と思うんですが、どうでしょう。ほんとは、大学入った後どういうことを学んで、どういう生活をするかってのが一番大事なんだから、入学より卒業を厳しくするべきだと思うんですけど…。東大受かったからって、入った後何もしなかったら意味がないんだからねえ(ちなみに、リアル東大生とお話をすると、自己紹介のとき「一応、東大に通ってます」と東大生は「一応」という言葉をつけることが多いですね。大学で私を評価するな!という意思表示なんでしょうか)。

まあ、そういうことは置いておいて。

さあ、とりあえず、大学に入ることになった。で、入学直前はめっちゃくちゃ大変になることが多いですね。特に、地方に住んでいて、これを機会に東京に出てくるなんて人は、東京周辺でアパート探しをしなくちゃいけなかったり、そうじゃなくても、教科書だなんだいろいろ準備しなくちゃいけなかったり(私の友達は「保健体育」の時間に履くシューズを探し回ってたなあ、よく)、大学で学ぶ前にまず、いろんなイベントが起きます。

ちなみに、アパート探しなんかは大学生協が手伝ってくれたりします。「住まい探し相談会」なんて、大事にイベント開いちゃう大学まであります。不動産会社の人とか、大学の先輩とかが来て、こんなところがいいぞぉ〜、どうだぁ〜、なんてやるイベントです。まあ、不動産屋をぐるぐる回って部屋探すより、圧倒的にこういうのを利用したほうが楽でしょうね。仲介手数料も少し安くなったりするみたいです。

加えて、入学の頃ってのは結構他にもいろいろあって、たとえば、健康診断受けなきゃいけないとか、科目登録しなくちゃねえとか、よりによっちゃいきなりオリエンテーションと称して合宿やっちゃったりするクラスがあったり(そういうところは昼間遊んだ後、夜コンパ)、サークル勧誘がやかましかったり(するところがある)、そりゃまあ、いろいろです。

で、とりあえず、そういうごたごたも過ぎ、入学式も終わり、さあ、大学生活だ!

大学生活はその大学が「セメスター制」か「通年制」かでちょっと変わってきます。セメスター制の場合は、大体2、3ヶ月のタームで1つの講義が完結します。通年制は普通の小、中、高校の授業と同じ。大学の場合は、一年を前期と後期に分けて、一つの講義を1年かけてやります。

この違いは単位修得のときに思いっきり差となって現れます。通年制の場合、とにかく、一年がかりで単位を取りますから、根気が要ります。特に、自分のあまり興味がない授業を登録しちゃった場合なんかは、相当悲惨かも。

セメスターの場合はそのようなものでも、数ヶ月の我慢と思えば耐えられるかもですが、こちらはこちらで、かなり詰まったスケジューリングで進行していくので、それなりにつらいところがあります。また、とにかく数ヶ月ごとに人間関係が入れ替わりますから、その辺意識しないと、かなり友達が作りにくいです。

大学の講義は朝10時くらいから午後6時くらいまでがオンタイム。朝一の講義を取ると、普通は通勤ラッシュに巻き込まれます。これが意外とつらい。ラッシュに遭遇するのが嫌で、朝一を取らないと決めている人もいるらしいです。尺(時間)は90分が普通。100分、120分なんていう場合もあり。長いです。

高校までは選択科目でもなければ、基本的には先生が勝手にやってきてくれて、授業してくれるものですが、大学はそうではありません。自分で取りたい科目を登録して、自分で教科書とか準備して(強制的に講師が指定する本を買わされたりすることもあるけど)、自分でその講義を受けに行くことが求められます。

講師も懇切丁寧に教えてくれるとは限りません。かなりハードな内容をかなりタイトなスケジュールで教え込む、というスタンスを取る講師もいるし、ゆぅるりゆるりとやっていく人もいます。

ここで勘違いしてはならないのは、大学の講師はあくまで「研究者」であって、「教育者」ではない点です。最高の研究者が最高の教育者である保証はまったくありません。受ける側もそれなりのレベルでなければ、ついていけないなんてこと、当たり前です。

まあ、単位がもらえりゃいいや的学生だと、レポート提出直前とかテスト直前に友達からノートだのなんだの借りまくって何とかする人がいますが、それじゃあ、大学に行く意味なんかないわけで、少しは自分でも勉強しておきたいものです。

今の大学は1、2年生から専門的な内容の授業が展開されます。「教養科目」という群があったとしても、東大みたいに最初の1、2年を教養課程、3年、4年を専門課程に分けて(しかも、大学側で専門を振り分けて(進学振り分け。別名、進フリ))やる、なんてことをしている大学はほとんどありません。まあ、早くから自分がやりたいことをやれるという点ではいいことですが、「大学で何をやるかなんて全然考えてなかった」なんていう受験生さんにとっては、結構大変かも。

そういうことから言っても、受験勉強をしている時点から、大学に入ったら何をやるか、少しは考えておいたほうがよいです。大学に入ってから考えることもできなくはないですが、実現可能性は結構低くなるのが普通。転籍(学内の別の学部学科に移る)のためには試験を受ける必要があるし、合格率が低いので、希望が叶わないことも少なくない。やりたいことをやるために大学を辞める人もいる。仮面浪人(今大学にいるけれど、本当に行きたい所を来年受けるために受験勉強している人のこと)に入る人もいる。

まあ、こういう大学に入るまで何にも考えてない人って結構多くて、受験勉強はめちゃくちゃがんばって、やるだけやって大学に入ったものの、そこから先がブラックアウト、穴の中に落ちちゃったのかと思うくらいにちゃらんぽらんになっちゃったり、逆に、手当たり次第にあれこれやって、模索する人を結構見かけます。それもそれで一つの生き方だと思いますけど、うーん、少しくらいは考えておいたほうがいいと思う(私自身がそうだったから。つらかったから)。

さてさて、大学は朝から晩まで動いています。図書館が朝9時から夜10時くらいまで開いてたり、研究室なんかには仮眠設備(寝袋とか、簡易ベッドとか)が整ってたりするし(特に理系。ソファに転がって毛布かけて寝る院生が結構多い)、生協使えばどこにも出ないで何日かは学内で生活できるし、ところによっては、土日なんていう曜日が吹っ飛んでいる、そんな世界です。もちろん大学が「研究機関」だからなせる業です。

このことは別の側面からも指摘できます。大学には夏季休講、平たく言えば、夏休みがそれなりに長い期間あります。大体7月半ば、8月頭くらいから9月頭、半ば、ことによっては終わりくらいまでですか。大体2ヶ月くらいです。この間、大学に行ってみましょう。もう人がわんさといるのが普通です。研究室に行くと、大学の先生がポコポコパソコン使って仕事していたりします。当たり前といえば当たり前なんですが、何しろ、年中休むことがないところだと、大学のことは認識しておいてください。

ちなみに、セメスター制の大学の場合、試験は7月と1月になります。この周辺はレポートの提出期限が団子のようにつながってたりしますので、要注意。

さて、ここまでは講義の話を中心としてきましたが、ここからはちょっと周辺的な話題をしてみましょうか。

まずは部活、サークル、自治会の盛り上がり具合の話。これはもう、それぞれの大学によってまったく異なると思います。ていうか、学部ごとにキャンパスが(地理的に)分かれちゃっているような大学だと、それぞれのキャンパスごとに天地ほどの差が見られることが多いです。まあ、そういうところはえてして、あの講義を受けるときはあっちのキャンパスに、こっちの講義はあっちのキャンパスで、と大学生活そのものが結構面倒くさいことになるので、要注意。

就職活動へのサポート具合も大学によって異なります。まったく関わらない大学もあれば、積極的に関わる大学もある。まあ、自分で動き回らないとどうしようもない、というところのほうが普通だと思っておいたほうがいいかもです。最近では3年生の頃から動き回る人も多いみたいですね。

学園祭なんかも積極的にでっかい規模でやる大学もあれば、全然そうじゃないところもあります。まあ、こういうのの運営委員とか実行委員になると、生活がめっちゃくちゃになりますね。朝から晩までそれと面と向き合って関わることになります。高校までのそれとはもう世界が違う。まあ、高校の頃のそれとほとんど変わらないところももちろんあるけどさ…。とにかく、すごいイベントです。

あと、オープンキャンパスなんていう、受験生向けのイベントが行われたりもしますね。受験生はこういう機会を逃さず行くべし。入ってから、自分が思ってたところと違う、なんてことになりかねないので、そうならないためにも、事前に見ておくべきです。ちなみに、オープンキャンパスじゃない日に行っても、とりあえず大学の中を歩くことくらいはできます。でも、図書館の中には入れなかったり、細かいところはフォローされないので、ちゃんと見たいって人は、オープンキャンパスを活用しましょう。

まあ、ぱらぱらと大学生活というテーマで思いつく話を書いてみましたけど、まだまだ書きつくしてないと思うし、なんだか文章が発散気味なので、また何か思いついたら書き足したり、直したりしようと思います。


[ゼミ]

大学生活もある程度たつと、ひとりの指導教員のもとに何人か集まってなんかやる、ゼミってのが始まります。

今調べてみたら、このゼミって言葉の元「ゼミナール Seminar」ってドイツ語なんだって。いろんな学問の多くが、ドイツの方向から来たってことがよくわかりますね。ちなみに、これ、英語だと、同じスペルで「セミナー」です。それが短くなって、略称が「セミ」にならなくてよかった(ギャグですよ)。夏じゃないのに、「明日、セミがあるんだよねえ」とか、意味不明だもんね(まだ言うか)。代ゼミも、「代々木セミナー」じゃ、なんか締まんないし(なんだそれは)。

ゼミってなんだ、って言われれば、みんなで一緒になって本読んだり、発表したり、感想言い合ったり、バトルしたり、実験やったり、そんな会だ、ということになるでしょうか(すごい大雑把な言い方)。ゼミの取り方は簡単。講義と同じように、自分の興味あるのを選ぶ。そして、そこに配属される感じです。

正直、大学生活の中で一番、魅力的で、かつ鍛えられる時間が、このゼミにはある気がします。例えば、卒研と連動して、発表とかやるようになると、「まだこんな段階なの?」「詰め、甘くない?」「別の解釈は出来ないの?」などなど、そりゃあもう、突っ込まれること請け合いです。しかも、先生はもちろん、学生同士も交えて丁々発止やりあうわけだから、結構シリアス。ストレートに、「よくできました」ってきれいに褒められることって、あんまりない(私だけ?)。でもねえ、それがいい鍛錬になるんだなあ。

言ってみれば、社会で生きていくうえで必要なもんが試される場ですね。例えば、決められた数分間の間に、自分が説明したいことを言い切って、周りからの質問にもおどおどしないで答えられるだけの力とか、そういうのが絶対的に必要となるのだ。

みんなで本読むときとかだってそう。指導教員が「こんくらいは読んでおいたほうがいいだろ」ってものを引っ張り出して読むことが多いので、めっちゃくちゃ英語で、めっちゃくちゃ分厚い本を読まなくちゃいけない、なんてことが往々にして起こります。でもそれって、どんな分野であっても、職業者とか専門家なら最低限出来なきゃいけないことなのだ。受験のとき英語は大事だよ、って書いたのは、こういうところで必要だからです。

最近、「ゆとり教育」で、学校で勉強する英単語の数がどんどん減っているらしいです。NHKでやってる「100語でスタート!英会話」なんて番組も当たっているようだし、なんか、数千語程度で英語っていいんじゃない?なんて思っている人が急速に増えている気がする。大学の先生は大変だって。みんな、ゼミとかでついて来れないから。

そりゃ、お店で買い物するとか、そのくらいなら、別に数百語


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