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[大学院に行こう+]

最近、大学院へ行く人が増えています。

特に、臨床心理士を目指す人は、
その受験資格を得るためには指定された大学院を必ず修了しなければならないこともあって、
その希望者はうなぎ上り状態と言えるでしょう。
ということで、「大学の歩き方」に引き続いて、「大学院の歩き方」をお届けします。


[決意]

大学院に行こう!と思う以前に、そもそも「大学院ってどんなところよ?」とお思いの方も多いでしょう。

大学院は、基本的には大学の学部の上位組織です。基本的には、と書いたのは、最近「独立大学院」という、下に学部がない大学院も存在し始めたから。でもまあ、基本的には、学部の上部に位置するのが普通です。で、何のためにあるのか。それは学校教育法第65条に示されています。

「大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。」(平成14年改正学校教育法第65条)

これをすっきりまとめると、次世代の研究者を育て、そして、役に立つ研究をしていくところ&ものすごく専門的な人を育てるところ(最近話題のロースクール(法科大学院)なんてのはこっち)が大学院だ、ということになるでしょう。。

つまり、大学と大学院ではその目的が違うのです。大学まではあくまで「勉強するところ」それは法律を読んでもそうだとわかる。

「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。」(学校教育法第52条)

「大学は、第52条に掲げる目的に代えて、深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育成することを主な目的とすることができる。」(学校教育法第69条-2)

これに比べて、大学院は研究をするところなのです。この違いは非常に重要で、もしもこのことを理解していないで、大学院に行こう!なんて思っている人は、少し認識を改めたほうがいいです。

現実、大学院でも授業がないわけではありませんが、それは大学のそれとはかなり異なっているのが普通で、ほとんどが実践的な研究に直結しています。内容も相当高度。それが当たり前です。

単純に、大学卒業したから、次は大学院だあ、なんて軽い気持ちで行くと、大変なことになりますので、あしからず。

さて、心理学を専攻していて、大学院に行こう!と考える人には2種類のタイプがあると思われます。一つは、研究をやりたいというタイプ。もう一つは、いわゆる心理臨床のプロになりたいから行きたい、というタイプです。

ここから先は前者を研究系、後者を臨床系として区別しながら話していこうと思います。

まず、研究系の人で大学院に行くことを決意した人。このタイプは、既に大学の卒論研究か何かで、ある程度の研究をやって、それを深めたいとか、学術的にまだわかってない、あんなこと、こんなことをやってみたいという、いわゆる純粋研究者タイプだと思われます。まさに大学院というフィールドにぴったり。ぜひ、がんばって受験しましょう。

他方、臨床系はどうかというと、私個人としては、必ずしも大学院になんか行かなくても、という気がしています。臨床系で大学院を目指す人の多くは、「臨床心理士」という一つの認定資格を目指してのことだと思いますが、でも、ほんとにそんなもののために大学院に行くべきか、私にとっては大変疑問なのです。

「大学へ行こう!」でも書いたけれど、本当に心理臨床に携わりたいなら、医学の道に進むべきだ、と私は考えます。そのほうがより専門的で実践的な知識を身につけることができるし、将来的に考えても、少なくても、心理学を専攻するよりは、望んでいる職に就ける可能性が高いと思われます。

あと、心理臨床というのは、知識よりは経験が問題になります。どれだけ知識があっても、どれだけ勉強していても、実践がなければ意味がありません。

そういう意味では、心理臨床の世界に入ってみたいと考えている人は、大学院受験の前に、ボランティアでそういうサポート活動とかしてみるべきです。その上で、それが大学院に行ってまでやるべきことなのか、それとも、そこまでしなくても何とかなることなのか、個人個人で判断すべきだと思う。そして、行きたい人だけ行けばいい。そうすれば、時間や高い学費を無駄に使うことがないはずです。


[受験]

さて、あれこれあって、受験することを決めたとしましょう。では、何をすればいいのか?

大学受験と違って、これといったマニュアルがない大学院受験。この辺は個別のケースによって違うことが多いと思いますが、まあ、大体共通する部分について、考えてみましょう。

まず、基本の基本として、大学院へは大学を卒業してないと行くことができません。この点については特に社会人の皆さんに注意しておいてもらいたい。いくら「社会人入試」という制度があったとしても、大学出ていないんじゃ無理なんです。

いや、実際には、大学を卒業していなくても、大学院に進む道はありますよ。募集要項とか見れば、学位授与機構がどーのこーのとか、大学が独自でやるなんとかがどーのこーのとか、そりゃ、あるんですけど、でも、考えるに、大学を卒業できるくらいの知識や能力、経験エトセトラがないと、大学院で生きていくなんて、そりゃやっぱ無理な話なのです。さっきも言ったように、院に入ってからの講義なんて相当なハイレベルなわけだし、なにしろ、研究ってのをしなきゃいけないのですから。だから、社会人の皆さんで、大学院に行きたいけれど、まだ大学を卒業してないという方は、ベースとなる知識を身につけるという意味でも、「大学へ行こう!」あたりを見ていただいて、とりあえず、大人でも大学で学べるうまい方法をつかんで、大学卒業目指してがんばってみることからはじめていただくことをオススメします。

んでもって、大学院受験は遅くても大学3年の秋、冬くらいまでには決意をしておくべきです。そして、どこの大学院を受験するのか、今いる大学に大学院がある場合なら、そこへ行くとか、他大学の大学院を受験するのかどうかとか、その当たりを考え出しておきましょう。

なぜこの時期かというと、大学院入試は大学4年の夏、秋の時期に行われることが多いからです。少なくても半年以上の余裕がないと、受験勉強とか、いろいろ考えてきつい。よって、今、大学生の方は、3年の秋冬、この当たりに決意を固めましょう。

あなたが今社会人で、大学も卒業していて、それで大学院に行きたいという場合でも、大体この秋、冬には決意をしておいたほうがいいと思います。あとで、社会人入試については触れますけど、やっぱり、試験がある以上、準備期間があることに越したことはないですからね。

さて、大学院に行くことを決めたら、まず、資料集めをしなければなりません。どこにどんな大学院があるのか、そこでは自分のやりたいことができるかどうかなどなど、そういうことを調べる必要があるわけです。

しかし、この資料集めというやつは、やってみればわかりますが、結構大変です。学内の院に進むことを決めた場合は問題ないでしょうが、他大学の院に行こう!なんて考えた人にとっては、それはもう、苦労するはずです。

とりあえず、ネットで検索するとか(地域はどこか、専門はどんなか、自分のしたいことは何かとかをキーワードにしてみよう)、本屋さんの大学受験コーナーに行けばある「大学院受験案内」(晶文社)みたいな本(何種類かあって、えてして分厚い)を見るとか、「大学へ行こう!」にも書いた「青本」を見てみるとか、今あなたが学生さんならば、友達とか、先生、先輩に聞いてみるとか、いろんな手段を手当たり次第に使ってみましょう。これである程度の候補は絞れてくるはずです。

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これと同時に、自分は何について研究したいのかという「研究計画」を考え始めましょう。なぜ大学院に入ってからではないのかといえば、受験申請をする際に、「研究計画書」を書いて提出しなければならないから。そして、この計画書が審査において大きなウェイトを占めるからです。

最初は大雑把な物でいいです。たとえば、「子供について研究したいな」そしたら次に、「思春期の子について考えてみたいな」と絞り込んでみましょう。これをさらに、「高校生について考えたい」「高校生の不適応行動について研究したい」と絞り込んでみて、最後に、「学校不適応にある高校生の、学校に適応的になるまでのプロセスについて研究してみたい」と決めてみる。このように、研究計画を練る際は、研究する方法が見えてくるまで、ある程度、絞り込んでみることが大事です。

研究計画のアウトラインが見えてきて、受験する大学院の候補も絞れてきたら、今度は具体的な行動に移す番。その行きたい大学院がやる「学校説明会」に行ってみるとか(大体、5月くらいに行われることが多いです)、受験願書を取り寄せてみるとか、いろいろやってみましょう。

ここでぜひオススメしたいのが、入りたい大学院、研究科、その教授の研究室に訪問してみることです。最近ではこのプロセスを踏まずに受験する人も多いようですが(中には、研究室訪問など、するべきではないという人までいる)、これは絶対にしてほしい。

大学院に入る、というのは、具体的には、ある研究科ある専攻の一人の教授の研究室に入るということを意味します。なので、その研究室ではどんなことをやっているのか、どのくらいスタッフがいるのか、院生に対してはどんな対応をしているのか、そもそも、やりたいことができそうかどうか、その教授とはうまくいきそうか、そういったことを前もって知っておくべきだと私は考えます。そういうことを具体的に知るには、研究室訪問をする以外に基本的には方法がない。

特に他大学の大学院を受験しようと思っている方は絶対にするべきです。研究室は基本的に学内進学、つまり、学部からの持ち上がりの人たちで構成されていると考えて間違いありません。これは学部時代を担当していた先生の研究室に入ることが多いから。今までの関係が生かせる、学内進学としてはもっともベストな方法なんですが、これは裏を返せば、学内組有利、他大生圧倒的不利という意味です。

だから、研究室訪問をして、自分が本当に研究室に染まれるかどうか目定めつつ、自分を売り込むことをしておくべきだと私は思うのです。

学内組のパワーが強すぎて、他大学からは一切入れないなんてところも往々にしてあります。そういうところは、もし入れたとしても、かなりつらい立場に置かれることは間違いありません。もし入るならば、できる限り他大学からの学生も受け入れている研究室を選びたい。それを判断するためには、実際にその研究室を見てみないとわかりません。

それに加えて、私は今までこんなことを学んできて、こんなことをやって、今、こんなことに興味を持っていて、そして私はあなたの下について、こんなことがしたいと考えている、それを思いっきり売り込んでおいたほうがよいと思います。

研究室訪問はそんな難しいことではありません。先生宛にお手紙を出すとか(その時、返信用封筒を同封するとかの心配りを忘れずに)、メールでの問い合わせを受け付けているようなら、メールで連絡を取ってみるとかしてみれば、先生から「〜日の〜時頃とか、開いてますよ」なんて感じで返事が来るはずです。そしたら、そのときに行けばいい。先生のこと、いろいろ教えてもらいますよ、というマインドと同時に、研究計画書とか、そういうものも持って、プレゼンするつもりで行きましょう。大学の先生は基本的にめちゃくちゃ忙しい人種ですので、ぞんざいな対応をされることもあると思いますが、それもそれで経験になります。研究計画書にある粗を指摘してくれたり、そもそも考え方が違うことを教えてくれたり、かなりへこむこともしばしばですが、でも、本当にいい勉強になる。絶対やってほしい。

実際、私は研究室訪問をしたことで、研究そのものを考え直したし、受験する院も変えました。より自分がしたいことができるところを受験することができたわけです。こういうこともよくあることだから、研究室訪問はしましょう。

研究室訪問をやって、具体的に行きたい大学院を絞り込んだら、受験手続です。この申請期間は非常に短く、また、厳格なことが多いので、ちゃんと準備しておきたい。なにしろ、大学での指導教員からのコメントが必要だったり、調査書を大学に発行してもらわなければいけなかったり、病院行って、健康診断書を書いてもらわなければいけなかったりと、簡単には出せないのです。最低でも、申請期間のひと月くらい前には準備を始めておかないと、絶対に間に合いません。注意されたし。

さて、今までは受験までのプロセスの話ばっかりしていましたが、ここで少し、入試について触れておきましょう。

入試は大学のそれとはまったく異なります。なにしろ、大学院には「偏差値」という言葉が存在しない。つまり、ペーパーテストの評価だけでは何も決まらないのです。もっと総合的な観点から受験生について評価して、それで合否を決める。そういうところがほとんどでしょう。

よって、入試は、まず書類で審査する第1次試験があって、その上で、ペーパーテストと面接試問を実施するという、いくつかの段階を経ます。

大学院は研究するところなわけですから、一にも二にも研究計画書が大きなウエイトを占めます。これの出来が悪ければ、いくら頭がいい人であっても、大学院には入れません。逆に、ペーパーテストの成績が悪くても、研究計画がよくできていて、面接試問で挽回できたなら、受かる可能性があります。これは受験生を絶対評価で判断するからこその話です。

だから、まずはしっかりとした研究計画書を書くように努力しましょう。自分のやりたいことについて、過去こんなことが言われていて、それについて、私はこう思うんだけど、だけど、思うだけじゃしょうがないから、こういう研究をします、ってことをしっかり書く。文字数制限があることがほとんどなので、その辺のことも考慮に入れながら、自分が言いたいことを簡潔に、でも、ちゃんと書きましょう。

なお、研究計画書を書くときは、ちゃんと文献を引くこと。これをしない人が結構いますが、それは問題ありです。「〜といわれている」となる文章のときは、それが何によって言われているのか、具体的に文献として示す必要があります。「〜だと考えられる」のようなときも、それが自分の意見でないのなら、誰がどこで考えているのかを示すために、ちゃんと文献を引く必要があります。

研究の方法については、めちゃくちゃ細かいレベルまで書く必要はないですが、それでも、何とか実行できるレベルのものを考えて、それを書いておく必要があります。そうしないと、この方法論のレベルで突っ込まれる。これはかなり痛いです。

とはいえ、研究計画書はあくまで「計画書」なので、こんなことがやりたい、というのを書けばよいです。大学院に入ってみたら、全然違う研究になっちゃった、でもいいわけ。だから、こんなことがしたいってのをコアにして書けばよろしいと思います。

研究計画書の考え方、書き方については、「研究計画書の考え方」(妹尾堅一郎・著/ダイヤモンド社)を読むといいです。自分の思い込みで適当に書いたりしないようにするためにも、読んでおいたほうがいいと思う。

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次にペーパーテスト対策。これは普通に入試を受ける場合と、社会人入試の場合で若干異なります。

今あなたが大学生だとしたら、普通の入試を受けることになります。この場合、問題からしてめちゃくちゃハード。ある程度の覚悟はしておいてください。非常に高度な問題が出ることは間違いありません。

とりあえず、自分のやっている学問、つまり、心理学について、人に正確に教えられるくらいのレベルにまで、まずはなりましょう。そのためには、今までに勉強した教科書を読み返したりする作業が必要です。そして、その上でいろいろかじってみる。あっちであんな話があったな、こっちではこんなのがあったな、そういうのをリサーチして、身につけておく。これは非常に地道な作業ですが、これが結構大事。その上で、過去問に挑んでみてみましょう。

外国語科目については、さらっと論文が読めるくらいになってないとかなりきつい。具体的には、英語の場合、TOEFLの問題に挑んでみて、ある程度正確に解答できるくらいのレベルになっていないときつい。このためには、とりあえず、大学入試の際の長文読解くらいのレベルから始めて、だんだんレベルを上げながら、過去問と向き合ってみるべし。

英語に関しては、ここ数年で、単語力、文法力が決定的に欠如しちゃったよ、という人もいるでしょう。つまり、大学にいる間に忘れちゃった、というやつです。そういう場合は、まず、高校レベルまで戻って、一気に叩き込みなおすといい。本屋さんの大学受験コーナーに行けば、「英語総合」というジャンルの異常に分厚い本があるはず。それをまずやって、文法の基礎中の基礎を叩き込みなおす。んでもって、大学受験レベルにまで引き上げて、いろいろ勉強する。こうすると、ある程度は取り戻せます。もちろん、ワードパワーをつけるために、「英単語ターゲット1900」(旺文社)みたいな基本中の基本を使いながら、いろいろ努力してみることも忘れずに。加えて、専門的な単語の勉強もしましょう。

ちなみに、ここでやる文法の勉強とか、単語の勉強ってのは、あくまで文章を読むためのものです。大学院入試においては、「どの単語が当てはまるか?」とか、「文法的に正しい記述はどれか?」なんていう、センター試験のときみたいな問題は一切出ません。もっともっと、すごく専門的な文章を読まされて、それについてどう思うか英語で答えてみろとか、一気に和訳せよとか、そういう実践的なレベルでの英語力が試されます。この点は少し注意しておいてほしい。

あと、論述問題に備えるために、大学入試の小論文試験の対策本とか、そういうのも見ておくといいかと思う。少なくても、論理的記述はどうやったら書けるかくらい、ちゃんと知っておかないと、後できつい目にあいます(ていうか、大学入って、レポートとか論文書いたことで、ある程度は身に着けているはずだけどね)。

[こんな本+]

つまりは、こんな本が使えるのでは?

もしも、今あなたが他分野の専攻だとしたら、これはかなり大変な受験勉強になることが予想されます。大学の4年かけてやる勉強を一気に圧縮して全部身につけなきゃいけない(しかも、人に教えられるくらいまでに)。加えて、その勉強を発展させる必要があるのです。これは並大抵の努力じゃありません。実際、大学と大学院で専攻の間にあまりにも乖離がある場合、入試の際に「学部からやり直したらどうですか?」と指摘されることが少なくない。それでもがんばる、という人は、「試験に出る心理学」シリーズ(北大路書房)とかをうまく使いながら、自分にあった勉強の方法を考えましょう。

社会人入試の場合、問題は比較的簡単なことが多いです(ここで言う簡単は、普通に入試した場合と比べてという意味)。今、社会でトピックになっていることについてどう思うかとか、そういう論述系の問題が多いですね。その代わり、研究計画書と面接試問が持つウェイトが大きいんですが。

この手の場合、とにかく、いかに解答において論理的な記述ができるか、というのが重要なポイントになります。そのため、本屋さんの大学受験コーナーに行けばある、小論文試験対策みたいなものをやってみましょう。これである程度の「書き方の基礎」みたいなものは見えるはず。その上で、最近の話題についていろいろリサーチしてみたり、自分でいろいろ考えてみたりすることをオススメします。

外国語科目、つまり、英語についても、やはりある程度簡単なレベルにまで引き落とされていると考えてよいです。問題に関しては普通のときと同じ、文章を読んで、それを和訳せよとか、英語で答えろ、というもの。ですので、やっぱり、英語なんてほとんど忘れちゃったよ、って人は基礎的な文法、単語から振り返っておいておいたほうがいいでしょう。それこそ、This is a pen.レベルからやり直したほうがいいかもしれない。その上で、大学入試の長文読解問題をめちゃくちゃいっぱい解いて、感覚をつかんで、それから、ハイレベルなものに触れていくようにしましょう。多分、いきなりハイレベルに触れると、わっけわからないことになると思います。

まあ、自分の専門分野の英語って、なんだか全然読めなくても、理解できることが比較的多いんですけどね。なにしろ、自分自身がよく使っている専門用語とかがバリバリ出てくるんだもん。文章読めなくても、感覚でなんとなくわかるのです。まあ、でも、そういう人はえてして、専門以外の英語が全然読めなかったりするので、やっぱり、ちゃんと基礎から勉強しなおしましょう。

ちなみに、入試過去問の扱い方はそれぞれの大学によってかなり異なります。ただ、一つだけ共通して言えるとしたら、大学入試過去問の代表「赤本」みたいに、いろんなところで大っぴらに見られる、というものではまずないということ。公開されていて、その大学内の生協に行けば買えるということもあれば、その大学院の事務室でしか見れないとか、最悪、一切公開されていないというケースもありえます。それは本当、それぞれの大学院、それぞれの研究科によって異なる。だから、過去問に関しては、学校説明会のときとかに尋ねておきましょう。手に入れられるなら、手に入れておくべきものだからです。

ペーパーテストが終わると、面接試問です。「試問」というのがついている点からわかるように、単なる面接ではありません。研究計画についてプレゼンしたり、それについて矢継ぎ早に質問が浴びせられて議論になったり、あの論文読んだ?みたいな感じで、どのくらいのレベルに受験者があるのか徹底的に掘り下げられたり、とにかく、いろんなことをされます。一言で言えば、「厳しい10分間」まず、褒められることはありません。これについては、とにかく緊張しないようにするとか、一問一答集を作っておくとか、いろいろ考えられますが、


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