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そもそも心理学とは?


心理学、とは「心」がどうなっているのか、それを明らかにする学問です。

なので、いつも「あなたの夢は〜」とか「過去には〜」とかやっているわけではありません。中にはネズミに薬を与えて実験をするといったことをしている人もいるし、文化と密接に絡んだ研究をしている人もいます。

[脳を考える+]

そしてそのベースには多くの学問と同じように古くからの歴史があります。psychology(サイコロジー)という名前自体ギリシャ語の影響を受けていて、psyche(ギリシャ神話での霊魂の化身。蝶々の羽根を持った美少女)とlogos(学問)がくっついたものです。

そんな心理学ですが、スタンスの取り方によって大きく二つに分かれます。
たとえば「心は所詮脳の一機能だ」というスタンスに立つと、認知心理学や知覚心理学になります。この場合、非常に実証的で科学的な側面が強くなります。逆に、あくまで心という「機能だけを見ていこう」とすると、人格心理学になります。これはどちらかといえば、あいまいなところも含まれるゾーンです。

では、いったい、心理学は科学なのかそうではないのか。どっちなんでしょう。

実は、これは長年問題となってきたテーマなのです。そしてはっきり言ってしまえば、これについての明確な答えはありません。

心理学者は科学と言い張ります。でも、その他の人たちは文学だ、哲学だ、といいます。どちらも間違ってません。

あえて言うなら科学には、見た目でわかる客観性ともう一度できる再現性、そして結果が読める予測性が必要です。その点で言えば、人格心理学などは必ずしもこれにあたりません。ただ、実験なども取り入れた知覚分野は限りなく科学に近い。

科学の側面も持ちつつ、非常にアバウトでもある学問、そんな妙な学問が心理学だったりします。

今までの心理学


心理学の大本となるもの、それは「哲学」から生まれました。それはそれは古く、アリストテレスの時代にまで遡ります。ちなみに、アリストテレスっていう人は、「心は心臓に宿る」と言った人です。

その心理学が哲学から抜け出したのは、ドイツのヴントという生理学者が1879年に作ったライプチッヒ大学の研究室でのこととよく言われます。こう考えると、心理学はまだ新しく、学問の始まりがはっきりしている、ものすごく珍しい学問です。

ヴントは「心はいくつかの要素でなっている」という構成主義をとりました。幾つかのパーツが集まって、全体の心が作られている、とこういうことです。

が、このあいまいな主義は次第に信用されなくなりました。あいまいすぎたのです。そしてそれに代わって今度はワトソンという学者を中心として、有名なパブロフの条件反射(正確には、反応)の実験を使って、「心は全部条件反射で説明できる」という、行動主義の時代が訪れます。

この行動主義には、ソーンダイクという学者の「効果の法則(満足を与える動作は、同じ状況下だと再び起こりやすい)」が大きく影響しています。ただ、この主義自体は、必ずしも条件反射だけでは説明できないものが出てきたりして影を潜め、そうしたら今度は、知覚研究から「ゲシュタルト主義」が登場。まとまりが要素になるんだ、という構成主義の正反対を言ったものの、あまり続かないまま衰退(考え方自体は今の心理学にも大きく影響を与えています)。現在の心理学は実証主義がベースとなっています。

現代の心理学は、とにかく実証しよう、というのが中心的な考えです。

実証主義にはさまざまな学者が絡んでいますが、特に面白いのがスキナーという学者。「スキナー・ボックス」という実験箱(ネズミや鳩にボタンを押すとえさが出ることを学習させ、それをもとに実験をする箱)を作ったことは超有名ですが、スキナーはこれを自分の娘の部屋にも応用して実験しようとした逸話があります。研究熱心というかなんというか(ていうか、このスキナーの実験を元ネタにgoogleが2002年にやったエイプリルフール、その名も「PigeonRank」がなかなか面白いです(^^;))。

この実証主義が進むにつれて、今では、脳と心の関係を考えるものから、心のみに目を向けるもの、その周りを取り巻くものに目を向けるものなど、かなり心理学も細分化されてきました。

また、精神医学の世界からフロイトやユングといった人たちの理論が入ってきたり、文化人類学のような視点からのアプローチなど、心理学はどんどん多様化しています。

この"Learn to psychology."では、そんな心理学をちょっとだけ、見ていこうと思います。

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