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時事王(2023) 代々木ゼミナール×読売中高生新聞

2023.11.30

[読売中高生新聞「時事王」掲載問題の解答ポイントなどを公開。テストに役立つ時事を学ぼう!+]

読売中高生新聞「時事王」掲載問題の解答ポイントなどを公開。テストに役立つ時事を学ぼう!

2023年12月1日号

A面「ワークシート」の解答ポイント

【問1】

なぜ「ブラック校則」と呼ばれるような校則が現在まで残っているのだろうか。資料からその理由を読み取り、説明してみよう。

【解答例】

1970〜1990年代に生徒を管理する目的で厳しくされた校則が、その後の社会状況や人権意識の変化のなかでも、見直されることなく存続してしまったから。

【解説】

資料からは、非行に走る子どもたちが増えたことへの対策として、学校側が生徒の指導や管理を徹底し、厳しい校則が定められるようになったこと、そしてこのような生徒を管理する姿勢は続き、「生徒を管理するためのルール」は細分化され、どんどん数が増えていったことが説明されています。つまり、「ブラック校則」と呼ばれるような厳しい校則は、「生徒を管理する」という学校側の姿勢から生まれたということです。
では、それがどうして現在まで残り、「ブラック校則」として問題になっているのか。資料には「長い間、見直されることなく積み重ねられた結果、今では無意味に思えるようなルールも数多く残ってしまっている」という説明があります。「非行を防止する」など、校則にはそれが設けられた理由があるはずですが、時が経つにつれてその理由となっていた社会の状況が変化したり、学校生活や子どもに対する考え方が変わったりすることはよくあります。
たとえば、今では子どもも一人一台スマートフォンを持つことが多く、その用途は娯楽だけではなく、オンライン学習や連絡手段、緊急時の情報収集など多岐にわたります。そこに「電子機器の持ち込みを一切禁じる」という校則が残り続けていたら、どうでしょうか。もともとはゲーム機器などを想定して、生徒間のトラブルを防いだり、授業の妨げにならないようにしたりするためのルールだったかもしれませんが、現在においては様々な不都合が生じるでしょう。また、頭髪や下着の規定に関しても、近年は身体のあり方を他者から強制されることは人権の侵害にあたるという意識が広く浸透してきています。このように、一度定められた厳しい校則が、社会的な状況の変化に対応できないでいる、ということが、「ブラック校則」が現在まで残っている理由だと読み取れます。

【問2】

生徒が校則を見直したり、新しく作ったりすることついて、あなたは賛成か、反対か。理由と共に説明してみよう。

【解答例】

・生徒が校則を見直したり、新しく作ったりすることに賛成だ。教師が一方的に決めた校則に従うのではなく、自分たちの学校生活についてのルールは、自分たちで責任を持って決めるべきだと思うからである。

・生徒が校則を見直したり、新しく作ったりすることに賛成だ。校則という身近なルールを見直すなかで、自分の意見を述べたり、複数の意見をまとめたりする力が身につくと思うからである。

・生徒が校則を見直したり、新しく作ったりすることに反対だ。生徒から見て気に入らない校則を廃止したり、都合の良い校則を作ったりといったことが増えれば、学校生活の秩序が乱れてしまうと思うからである。

・生徒が校則を見直したり、新しく作ったりすることに反対だ。人権侵害にあたるなど明らかにおかしい校則は、生徒が声を上げる以前に教師や保護者があらかじめ見直す意識を持つべきだと思うからである。

【解説】

賛成でも反対でも、理由をしっかりと説明することが大切になります。解答例以外にも、賛成の場合は、校則を見直すという取り組みの中で地域の人からも意見を聞き、地域住民との交流の機会が生まれるなどのメリットも考えられます。反対の場合は、授業や部活動など忙しい学生生活の中で、生徒たちが一つずつ校則を変えていくことの煩雑さなどの問題も考えられます。資料以外にも、今年度から施行された「こども基本法」や、すでに「ルールメイキング」を行っている学校の事例、校則の問題について書かれた書籍などを読んでみると、意見の幅が広がるでしょう。

【問3】

自分の学校で「ルールメイキング」を行う場合に注意したいポイントと、それについて施すことができる具体的な工夫を説明してみよう(すでに実践している場合は、さらに工夫できること、改善できることを考えてみよう)。

【解答例】

・クラス委員など一部の生徒だけが意欲的になり、他の生徒たちが活動に対して無関心になってしまわないように注意したい。そのため定期的に選択式かつ無記名のアンケート用紙を配り、一人一枚必ず投票してもらう。その結果を公開することで、自分の投じた意見に対して関心を持ってもらう。

・情報収集にあたって生徒だけの意見に偏らないように注意したい。見直したい校則が決まったら、地域住民の考えも取り入れるため、駅や商業施設にかけあってポスターと投書箱を設置してもらい、集まった意見を、学校内での議論に反映させる。

・校則を見直した後に、想定外の不都合な事態が起こらないか注意したい。そのために、校則を変更した後は一ヵ月の試用期間を設けて、その影響を確かめてから、正式に変更するようにする。その後も、変更したものに限らず1年に1度など一定期間ごとに校則を見直すようにする。

・見直された校則が保護者や地域の住民に理解されず、トラブルが発生しないように注意したい。そのため、学校のホームページに加えて、地域の回覧版や掲示板にも、校則を変更した経緯や変更した内容を説明するポスターを貼って、周知する。

【解説】

資料にある、実際に「ルールメイキング」を行っている高校の事例や、「改訂版『生徒指導提要』が求める校則見直しのポイント」をヒントにしてみましょう。これらの資料からは、生徒が主体的に参加する、生徒だけではなく様々な立場の人から意見を募る、校則を誰でもチェックできるように公開する、などの「ルールメイキング」を行う上での注意点を読み取ることができます。
解答例の他にも、授業や学習に影響を与えないように、すでに「ルールメイキング」を行っている学校の生徒に話を聞いて段階的な計画をつくる、集まった意見がバラバラにならないために、まずは議論の進め方(ファシリテーション)を学ぶ、何が「ブラック校則」にあたるのかを知るために子どもの人権について調べる、なども考えられます。問2で考えたこともヒントになりますし、自分の学校や通っている地域ならではの特徴があれば、それを考慮した解答を作ることもできます。「具体的」という指示に注意して、分かりやすく説明しましょう。

B面の解答ポイント

【問題1】の問1について

正解はウのフランスです。
ラスコーはフランス南西部にある旧石器時代末期の洞窟遺跡です。1940年に発見され、1979年に近隣の遺跡群とともに世界遺産に登録されました。全長約250メートルの洞窟の壁面や天井には数百点のウシ・ウマ・シカなどが描かれており、これらは約2万年前にクロマニョン人たちが作成したと考えられています。
ちなみに、この洞窟絵画は、穴に落ちた愛犬を探していた少年たちが偶然発見しました。世界的発見にもイヌが一役買っていたわけです。

【問題1】の問2について

正解は三(さん)内丸山(ないまるやま)遺跡です。
青森県の三内丸山遺跡は、縄文前期から中期にかけて存在した大規模集落の遺跡です。約40ヘクタールの広さの集落からは、多数の竪穴住居跡や掘(ほっ)立(たて)柱(ばしら)建(たて)物(もの)跡、大人や子供の墓、多量の土器や石器などが出土し、最盛期には500人近くが居住していたと考えられています。出土品の研究を通して、当時の環境や自然資源の利用方法、食生活などの解明が進んでいます。

【問題1】の問3について

正解はイの番犬です。
『日本書紀』によると、安閑(あんかん)天皇二年(538年頃)に諸国にイヌを飼う専門の役人である犬養(いぬかい)部(べ)が置かれました。このイヌたちは、朝廷の直轄地を守る番犬として利用されたと考えられています。
愛玩犬や盲導犬にも長い歴史があるといわれています。最古の愛玩犬とされるマルチーズは古代ギリシア・ローマ時代の記録に登場します。また、西暦79年のヴェスヴィオ火山の噴火で灰に埋もれたポンペイの遺跡には、視覚障がい者らしき人が犬を連れて歩く姿が壁画に残されています。
人間との生活の中でさまざまな役割を担ってきたイヌたち。紙面で紹介された読書犬のように、その活躍の場所はさらに広がっています。

【問題1】の問4について

正解は滝沢馬(ば)琴(きん)/曲亭(きょくてい)馬琴です。
曲亭馬琴(1767〜1848)は、読本(よみほん)と呼ばれる小説の作者で、江戸後期に活躍しました。代表作『南総里見八犬伝』は、共通して「犬」の字を含んだ姓を持つ八犬士が、主君の安房(あわ)里見家の再興のために奮闘する勧善懲悪の伝奇物語で、里見家の飼い犬八房(やつふさ)も重要な活躍をします。1814年から1842年までの28年をかけて98巻106冊が刊行された大長編で、晩年に失明した馬琴は、口述により物語を完結させました。
なお、馬琴は筆名にこだわりがあり、著作では本姓の「滝沢」を使うことはありませんでした。現在では、『八犬伝』の筆名である「曲亭馬琴」と表記するのが一般的です。

【問題2】の問1について

正解はイの太宰府天満宮です。
太宰府天満宮は福岡県の福岡市の南、太宰府市にあり、学問の神として菅原道真が祀られています。社殿の本殿は重要文化財に指定されており、所蔵品には国宝に指定されているものもありますが、世界遺産には登録されていません。
他の3つはいずれも世界遺産です。世界遺産は文化遺産・自然遺産・複合遺産の3つに分かれますが、富士山は長く信仰の対象と芸術の源泉となったことが評価され、富岡製糸場は近代日本の産業革命と絹織物産業の近代化を現在に伝えるものとして評価され、それぞれ文化遺産となりました。白神山地は広大なブナの原生林が残っていることが評価されて自然遺産となっています。世界遺産になっている場所は高校入試や大学入試の素材になりやすいので、ある程度押さえておくとよいでしょう。

【問題2】の問2について

正解はイの100円です。
島民や宮島に通勤や通学で訪れる人、修学旅行生らは免除されます。安いように思われますが、それでも年間2億5千万円の税収が見込まれ、オーバーツーリズムの解消のために使われるようです。

【問題2】の問3について

正解はいくつか考えられますが、読売中高生新聞の本紙で挙げられていたのは「ゴミのポイ捨てや公衆トイレの不足」でした。
この他に公共交通機関(バスやフェリー)の過密や交通渋滞の発生、観光客による騒音、自然破壊などが挙げられます。特に森林や湖沼などの自然が観光地となっている場合、観光客による自然破壊で魅力が失われてしまう危険性もあります。その解消のため、宮島のように観光税を取るほか、観光客のマナー向上を訴える看板を設置する、観光客が分散するように複数の定番ルートを設置して誘導する、公共交通機関のチケットや美術館の入場券を事前予約制として観光客数を制限する等の対策が取られています。

【問題2】の問4について

正解はエ(平将門の乱)→イ(平治の乱)→ウ(平清盛の死)→ア(壇ノ浦の戦い)です。
平将門の乱(天慶の乱)は939〜940年の出来事で、まだ武士という身分が本格的に成立する前の出来事でした。11世紀になると武士が成長し、源氏と平氏が武家の棟梁として仰がれるようになっていきます。12世紀半ばの1156年の保元の乱、1159年の平治の乱を経て平清盛が政権を握りますが、1180年に源頼朝が挙兵して源平の争乱(治承・寿永の乱)が始まります。1181年に平清盛が亡くなると、次第に平氏が不利となり、1185年の壇ノ浦の戦いで平氏が滅亡しました。

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2023年11月3日号

A面「ワークシート」の解答ポイント

【問1】

資料1・資料2の二つの問題の共通点を、簡潔に考えてみよう。

【解答例】

1970年代以降は同時代に被害者たちが苦しんでいたといった共通点もあるが、日本の社会にとって最も重要な共通点は、長年にわたり被害者が放置された結果、大きな人権問題になってしまったことだと考える。

【解説】

1956年4月21日、水俣病の原因物質(有機水銀化合物)を排出していた工場の附属病院長が熊本県水俣保健所に、原因不明の激しい脳症状を訴える患者(5歳の女児)の発生を報告し、この日が「水俣病公式確認の日」とされています。しかし原因企業や政府などは対策を怠り、原因物質の排出停止まで12年かかりました。
そればかりか、原因企業などが補償すべき被害者の認定基準が狭すぎると2004年の最高裁判決で指摘された教訓から水俣病被害者救済法(2009年施行)が制定されたにもかかわらず、2023年の大阪地裁判決で同様の指摘が繰り返されたのです。これまでの認定患者は三千人、それに被害者救済法などの対象とされた四万九千人は一応救済されたわけですが、同法の対象外とされた人々はまだ「法廷闘争」により救済を求めているのです。
旧ジャニーズ問題では、第三者委員会の報告によると、「ジャニー氏の性加害は1970年代から2010年代まで続いた」ということです。これほど長期間かつ被害者数の膨大な犯罪は世界でもまれでしょう。
ただし、例えば刑法に1907年の制定時から2017年まで規定されていた強姦罪では、被害者が女性に限定されていたこと(2017年改正で性別を限らない「強制性交等罪」とされ、2023年改正で「不同意性交等罪」に改称)には留意が必要で、20世紀には男性の性被害が今ほど深刻視されていませんでした。このことも、結果として被害・被害者の放置に影響したのでしょう。しかしながら、旧ジャニーズ問題の被害者数は数百人では収まらないと見られています。非常に大きな人権問題になってしまったのです。

【問2】

資料2と比べたとき、資料1の被害者救済法や救済制度にどのような問題点があったか、考えてみよう。

【解答例】

旧ジャニーズ事務所による補償では時効が成立している被害者を除外せず、そうした限定のない補償が予定されている。これに対し、水俣病被害者救済法では「救済を受けるべき人々があたう限りすべて救済され」という法の要求に反したような、狭い基準で制度が形成されたことが問題だった。

【解説】

旧ジャニーズ事務所(現在は「SMILE-UP.(スマイルアップ)」)による補償では、「被害の時期を理由として補償を拒むことはいたしません」として、法的には損害賠償責任を負わない時効成立済みの被害者も対象となります。このように被害者を限定しない補償方法と比べるとき、水俣病被害者救済法の要求「救済を受けるべき人々があたう限りすべて救済され」は同様の趣旨に読めます。ところが、実際の被害者救済制度はかなり限定的だったと言えそうです。

【問3】

年表「ジャニーズ事務所の歴史」によれば、イギリスの公共放送BBCによる2023年3月の報道から問題の追及が再開されたようだ。このことから得られる教訓について、考えてみよう。

【解答例】

日本では長い間、部外者が旧ジャニーズ問題を知っても、芸能界という特殊な世界のスキャンダルといった程度の出来事として片付けてしまったのではないだろうか。中でも、メディア界には芸能界との利害関係から、「人権問題」として追及する人が少数の例外を除き出現しなかった。そのため、社会の問題として認知され有効な対策が行われるまでに至らなかったという、苦い教訓が残った。

【解説】

「日本人は人権意識が低い」という批判を目にすることがあります。例えば、2021年に出入国在留管理庁が不法滞在の疑いで収容したスリランカ人女性の保護を怠り女性が死亡した件に関して。ですが、外国人に対してだけでしょうか。実は、日本人の間でも、例えば検察が起訴する前の被疑者(いわゆる容疑者)を「有罪に違いない」として扱っているように見えます。法律上、裁判で有罪が確定するまでは「無罪と推定」されるのですが。
日本が加盟している国際連合の下で、1948年に世界人権宣言が採択された後、日本が批准した人権条約は国際人権規約(批准1979年)、難民条約(同1981年)、女性差別撤廃条約(同1985年)、子どもの権利条約(同1994年)、障害者権利条約(同2014年)など数々あります。その内実が伴っていない現状を何とか前進させるためにも、「部外者」も社会の一員として、水俣病問題や旧ジャニーズ問題を「わが事」として追究(被害者の立場なら追及)したいものです。

B面の解答ポイント

【問題1】の問1について

正解はAのパリです。
パリはフランスの首都です。五輪ことオリンピック競技大会は4年に一度開催されるスポーツの世界最大規模の祭典です。前回は2020年に東京で開催予定でしたが、COVID-19の影響で1年延期され2021年に開催されました。1924年以来100年ぶり3回目となるパリオリンピックは2024年7月から8月にかけて開催されます。
なおBのベルリンはドイツの首都で1936年、Cのローマはイタリアの首都で1960年、Dのロンドンはイギリスの首都で1908年、1948年、2012年にそれぞれオリンピックを開催しています。

【問題1】の問2について

正解はAの平清盛です。
平清盛は保元の乱、平治の乱と朝廷の争いをしずめ、1167年、武士として初めて太政大臣となりました。また自身の別荘があった兵庫の地(現在の神戸市兵庫区付近)に大輪田泊を築き、南宋との貿易を盛んに行いました。南宋から日本には大量の銅銭がもたらされ宋銭として流通し、鎌倉時代以降の日本で貨幣経済が浸透するきっかけとなりました。
Bの藤原道長は10世紀末から11世紀前半にかけて4人の娘を天皇の后として実権を握り、摂関政治の全盛期を築きました。Cの北条義時は、Dの源頼朝が開いた鎌倉幕府の執権となり、1221年、後鳥羽上皇との承久の乱に勝利し、武士の力を強めることに成功しました。

【問題1】の問3について

正解はインドです。
国連によると、2023年4月末までにインドは人口約14億2577万人に達し、中国を抜いて世界最大になったと推計されています。中国は2015年まで続いた一人っ子政策の影響で少子化が進み人口増加


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